2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

朝顔や季節の終わり惜しむよに

(あさがおやきせつのおわりおしむよに 忠男) 〔季語:朝顔(秋)〕 秋の間ずっと、私を楽しませてくれた朝顔の花が、季節の終わりを惜しむように、今日も、健気に咲いているよ! しばらくは、会えなくなるけれど、また、来年も、美しい顔を見せておくれ・・・

うらやまし果物たわわ暮の秋

(うらやましくだものたわわくれのあき 忠男) 〔季語:暮の秋(秋)〕 11月初め、八王子市片倉町にある自宅から、京王線北野駅まで歩く。途中の家々を見ると、みかん、柿などの果物が、たわわに実り、見事な眺めだ。ああ秋も終わろうとしている・・・

コスモスやベリーダンスを踊るよに

(こすもすやべりーだんすをおどるよに 忠男) 〔季語:コスモス(秋)) 八王子市片倉町の自宅から、みなみ野へ行く散歩道に咲くコスモスの花、川の流れと遠く小鳥の声も聞こえてくる。 時には、アーティストである友人の踊るベリーダンスのようにも見えるよ・…

一隅を香りで照らす菊の花

(いちぐうをかおりでてらすきくのはな 忠男) 〔季語:菊の花(秋)〕 八王子片倉の自宅から、横浜線の片倉駅へ向かう道の片隅に、菊の花が、今を盛りに咲いている。 立ち止まって、香りを嗅いでいる人もいる。色は勿論、香りでも一隅を照らすような菊の花・・・

西空にダリの絵見たよな秋の暮

(にしぞらにだりのえみたよなあきのくれ 忠男) 〔季語:秋の暮(秋)〕 10月末、陶芸教室の帰り道、夕方5時ごろ、西の空を見ると、まるで、サルバードール・ダリの絵画を思い出させるようなオレンジ色の空と雲の色、ああ不思議な美しさ!

守一が書いたか空に秋の雲

(もりかずがかいたかそらにあきのくも 忠男) 〔季語:秋の雲(秋)〕 10月末、八王子みなみ野の陶芸教室の帰り道、 夕方5時ごろ、空を見上げると、まるで、画家の熊谷守一が書いた書のような雲、〝人〟〝うぶすな〟のような・・・

車窓から望めば行く秋富士の嶺

(しゃそうからのぞめばゆくあきふじのみね 忠男) 〔季語:行く秋(秋)〕 妻と二人、ニ年ぶりの湯河原温泉一泊旅行、旅の最後は、小田原駅から、小田急線、ロマンスカーに乗る。左手を見ると秋の富士山。葛飾北斎の、富嶽三十六景の絵など頭に思い浮かべて・・…

貝いろいろ芸術の秋真鶴の

(かいいろいろげいじゅつのあきまなづるの 忠男) 〔季語:秋(秋)〕 10月末に真鶴岬のお店で買った貝殻。地球の海が育てた芸術作品のようにも思える。一つ一つ違って、実に、素晴らしいと思う。声をかければ答えてくれそうな貝たち! 真鶴で見た芸術の秋・…

秋の海ひねもす波と風さわぐ

(あきのうみひねもすなみとかぜさわぐ 忠男) 〔季語:秋の海(秋)〕 湯河原の帰り、真鶴駅で降りて、岬に。ここは、夏には、子や孫を連れて何回か遊んだ所だ。秋の海は、家族連れもなく、波風がさわぐだけだが、海を見るだけで、何故かホッとする・・・

湯の河原黙浴黙食あきの風

(ゆのかわらもくよくもくしょくあきのかぜ 忠男) 〔季語:あきの風(秋)〕 湯河原の温泉、黙浴、黙食で、少々、不自由ではあるけれど、次から次へと出てくる食事に、舌鼓を打つ。天高く馬肥ゆる秋、願わくは、あきの風が、コロナ禍を吹き飛ばしてくれますよう…

湯をあがりお抹茶いただく秋の暮

(ゆをあがりおまっちゃいただくあきのくれ 忠男) 〔季語:秋の暮(秋)〕 緊急事態宣言も解除され、妻と、10月末に、湯河原の温泉に。温泉に入って一服して、無花果の菓子とお抹茶をいただく、ああ美味しい、湯河原の秋の暮・・・

黙浴や紅葉ゆらゆら深呼吸

(もくよくやもみじゆらゆらしんこきゅう 忠男) 〔季語:紅葉(秋)〕 秋の湯河原温泉、コロナ対策として、〝黙浴〟 私は、まど・みちおさんとの対談で聞いた〝長生きの秘訣〟の話を思い出して、温泉に浸かって、深呼吸を10回・・・紅葉がゆらゆら・・・

すべり台両手離して天高し

(すべりだいりょうてはなしててんたかし 忠男) 〔季語:天高し(秋)〕 すべり台を、両手を離してスーとすべった時のあの気持ち良さ!あれは、何才の時だっけ。 今は、すべり台で遊ぶ気にはならないけれども、公園で、遊んだ楽しい思い出を思い出させてくれる…

冬瓜や料理のレシピ顔ふたつ

(とうがんやりょうりのれしぴかおふたつ 忠男) 〔季語:冬瓜(秋)〕 芭蕉の俳句を読んで、近くのお店で、冬瓜を買って帰った。 俳句を妻に見せると、俳句には、興味を示さず、さっそく、ネットで、料理のレシピを調べていたよ!妻は料理、私は俳句づくり、秋…

鳴く虫の声かすかなり一夜づつ

(なくむしのこえかすかなりひとよづつ 忠男) 〔季語 虫の声(秋)〕 10月初めから、終わりにかけて、にぎやかだった虫の声が、日に日に、小さくなってゆく。 寒い夜などは、聞こえるか聞こえないか、かすれ、かすれ、遠くから、ああ、冬が近づいているんだな…

寝坊助か我が家の朝顔昼も寝て

(ねぼすけかわがやのあさがおひるもねて 忠男) 〔季語 朝顔(秋)〕 10月末の日曜日、我が家の庭の朝顔は、お昼過ぎだというのにまだ開かないで、青空を眠そうな眼(まなこ)で見ているよ。庭の花まで、そこに住む人に似てくるのか?花とはいえ、頼もしいな…

高尾山りんどう咲くや我が庭に

(たかおさんりんどうさくやわがにわに 忠男) 〔季語 りんどう(秋)〕 高尾山の野草園で見た、りんどうの花が、かわいらしく綺麗だったので、買って帰った。 私の庭に、今日は、咲いている。高尾山頂上まで夫婦孫で登った記念に、毎年、元気に花を咲かせて欲し…

高尾山頂上はるか秋の富士

(たかおさんちょうじょうはるかあきのふじ 忠男) 〔季語 秋(秋)〕 私76歳、妻75歳、大学4年生の孫の案内で、初めて高尾山山頂まで登った。 山頂は、コロナ禍の緊急事態宣言も解除され、快晴の土曜の午後とあって、かなりの賑わい!4時頃、はるか遠くに…

足引の頂上着けばあっすゝき

(あしびきのちょうじょうつけばあっすすき 忠男) 〔季語 すゝき(秋)〕 高尾山頂上まで妻と孫と初めて登った。薬王院から30分、途中、膝が痛くなり、休み休み、やっと山頂にたどり着いた。 すぐ目にとまったのがススキ、空気が澄んでいるのか、若々しく元気…

大船で今宵は妻と月見かな

(おおぶねでこよいはつまとつきみかな 忠男) 〔季語 月見(秋)〕 10月20日、会社から帰り6時過ぎ。妻の節子も玄関に出、二人で東の空を見ると見事な月!貧しい子ども時代、父がよく言った「大船に乗った気持ち」で、今日は本当にそんな気持ちで月見がで…

女郎花花の盛りもいつか過ぎ

(おみなえしはなのさかりもいつかすぎ 忠男) 〔季語 女郎花(秋)〕 あんなに、きれいに花を咲かせていた女郎花の花も、小寒い秋の風に吹かれて、よれよれと、揺れている、虫も集まることなく、と言うか、虫もどこかに消えてしまったようで、自然の摂理かなあ…